コラム
弁護士 斎藤勝先生からの寄稿
行政書士という法律家について
弁護士斎藤勝先生からの寄稿 |
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~ 行政書士という法律家について ~ |
行政書士は、現在、日本全国に約4万人います。 マンガ「カバチタレ」以来、人気の高い職業となっておりますが、元々「街の法律家」として、国家資格者の中で一番身近な法律家として、官公署への手続きなど、民と官をつなぐ重要な存在です。 平成14年7月1日より、書類作成に関する代理権を取得し、平成20年7月1日からは、許認可等にかかる不利益処分の聴聞・弁明手続について代理権が付与されました。 もちろん、これに伴い、業務や権限は拡大し、罰則や責任も一層求められる存在になった訳です。 行政書士の一番の業務は、紛争への介入ではなく、紛争の未然予防であり、かかりつけの町医者のような存在ではないかと思います。 弁護士事務所では、破綻しかけた会社等から、解散や清算の手続き、破産や民事再生・会社更生手続きなどの依頼を受けます。 逆に行政書士事務所では、会社の設立や許認可の申請・資金調達に必要な事業計画書の作成などを行います。 まさに、補完関係にあるともいえるわけです。 士業間では、ともに専門分野の業務について相互に補完しあい、上手に連携・提携していきながら国民の利便に資することが重要だと思います。 現在、日本の社会は「2割司法」と言われ、司法による適切な処理や救済を受けられている人は、問題を抱えている人のうちの2割しかいないと言われています。 その為、この数年、「司法改革」ということが大きく取り上げられ、推進されています。 弁護士を年間3,000人づつ増やそうとして法科大学院・新司法試験制度が始まったのもこの一環ですし、国民が刑事裁判に参加する「裁判員制度」もこの一環です。 また、調停制度や審判制度の充実によるADR(裁判外紛争処理手続き)も今後、ますますその発展が期待されています。 士業は、弁護士であれ、行政書士であれ、法的サービスを提供することで、国民の利便に資することが重要であり、紛争の予防や解決により、より良い生活や国家を築くことが原点であり、利益を追求するあまり、この原点を見失ってはいけないと思います。 今般、当事務所でパラリーガルとして面談や裁判書類の作成を手掛けてきた2人が行政書士の登録をしました。 充分にお役に立つことが出来ると思います。 是非一度、お気軽に何なりとご相談やご依頼をなさって下さい。 |