財産分与

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離婚の財産分与

離婚に関する基礎知識7/11
離婚の財産分与とは、婚姻中に夫婦で築きあげた財産の清算・分配のことです。
離婚をした者の一方は、相手方に対して財産分与を請求することが出来ます(民法第768条)。

>財産分与の種類


財産分与とは、離婚に伴って生じる身分上・財産上の一切の清算、ということが目的であり、4種類に分類されます。


財産分与の目的
夫婦が婚姻期間中に協力して築き上げた財産の清算
別居時から離婚成立に至るまでの期間における生活費(婚姻費用)の清算
離婚後の経済的弱者に対する一定の扶養
一方の有責な行為によって他方に与えた精神的苦痛に対する慰謝

財産分与の種類

(1)清算的財産分与
(2)扶養的財産分与
(3)慰謝料的財産分与
(4)婚姻費用清算の財産分与


財産分与の対象となる財産


財産分与の対象となる財産財産には、共有財産と実質的共有財産とがあり、対象とならない財産として「特有財産」があります。
原則として、婚姻期間中に築き上げた財産は、名義の如何を問わず、どちらに属するか定かでない場合、夫婦の協力によって形成された共有財産と推定されます。


夫婦のいずれか一方が、結婚前から保有していた財産、および、個人的な才覚によって得た財産や相続によって取得した遺産などは、特有財産とされ、原則として財産分与の対象になりません。
ただし、特有財産であっても、他方がその財産価値の減少防止に協力・貢献をしていたと認められる場合には、一定割合の分与を認められる場合があります。


財産分与の対象となる財産


財産分与の対象となる共有財産には、以下のものがあります。


代表的なもの

  • 現金・預貯金
  • 有価証券(株券や債券など)
  • 保険の解約返戻金
  • 自動車
  • 不動産
  • 家具・電化製品
  • 厚生年金(報酬比例部分のみ)
  • 退職金(婚姻期間の部分のみ)
  • 借金(住宅ローンや教育ローンなど)


特殊なもの

<退職金>
退職金については、2~3年以内に支給予定で、かつ、支払われる可能性が高いこと、受取人に対する他方の貢献度が大きいこと、などの事情があれば、共有財産として、財産分与の対象となります。
もっとも、分与される時期は退職金が支払われた時、となることが多いようです。


<借金>
不動産や自動車のローン、教育ローンなど、夫婦生活において必要な借金は、マイナスの財産として、それ自体も財産分与の対象です。


<一方の配偶者の経営する会社名義の財産>
原則として、会社名義の財産は、会社固有の財産であり、財産分与の対象とはなりませんが、仮に、その会社が実質的にみて個人経営と変わらないような場合には、財産分与の対象となることがあります。
また、いずれか一方の配偶者の両親の経営する家業ないし個人会社で従事していたというような場合も、実質的には家族全員の共有財産であるとして、婚姻していた期間に応じて財産分与の対象となることがあります。


<特定の資格>
一方の配偶者が、弁護士や医師などの特定の資格を有している場合で、その資格取得のために、他方の配偶者が協力して支えてきたというような特別な事情がある場合、その貢献によって無形の財産を得たものとして、財産分与の対象となることがあります。


特有財産

特有財産とは、夫婦の一方が婚姻前から持っている財産、および婚姻中に自己の名義で得た財産のことをいいます。
特有財産は、離婚の財産分与の対象にはなりませんので、注意が必要です。
以下のようなものが、特有財産にあたります。

  • 結婚前から有していた預金
  • 結婚前から所有していた不動産や電化製品
  • 結婚指輪や嫁入り道具
  • 相続によって得た不動産や現金などの相続財産
  • 婚姻期間中に自己の才覚のみで増やした資産
  • 別居後に取得した財産
  • 借金(住宅や自動車以外のローン)


夫婦生活において必要な不動産や自動車のローン以外の借金(債務)は、特有財産(マイナスの財産)となり、財産分与の対象とはなりません。
ただし、他方が連帯保証人となっている場合には、いずれもが同等の責任を負うものであり、離婚しても責任を逃れることは出来ません。


財産分与の基準時期

財産分与の対象となる財産は、離婚成立時の財産を基準に計算します。
しかし、離婚前に別居となった場合、通常は、別居時の財産を基準に財産分与の計算を行います。
ただし、別居後にも協力関係があったのであれば離婚成立時の財産が基準となります。


財産分与の割合

財産分与の割合は、共稼ぎや共同経営する自営の場合には、通常、対等(半々)として計算します。
専業主婦(専業主夫)の場合には、判例上、貢献度に応じて、30%~50%とされることが多いようですが、最近の傾向としては、専業主婦であっても2分の1が相当だとする判例が増えてきています。


財産分与の基準時期

財産分与の対象となる財産は、離婚成立時の財産を基準に計算します。
しかし、離婚前に別居となった場合、通常は、別居時の財産を基準に財産分与の計算を行います。
ただし、別居後にも協力関係があったのであれば離婚成立時の財産が基準となります。


財産分与の割合

財産分与の割合は、共稼ぎや共同経営する自営の場合には、通常、対等(半々)として計算します。
専業主婦(専業主夫)の場合には、判例上、貢献度に応じて、30%~50%とされることが多いようですが、最近の傾向としては、専業主婦であっても2分の1が相当だとする判例が増えてきています。


財産分与の方法


まず初めに、財産分与すべき「共有財産」を確定し、「特有財産」として除外すべきものと区別します。
そして、現金と預金以外の財産については、評価額を算定し、夫婦双方の取得分・持分割合などを定めます。

具体的な分割方法としては、大きく分けて、現物分割代償分割換価分割、等があります。


(1)現物分割
現物分割とは、そのまま金銭を支払う、不動産や動産(家具・電化製品、自動車等)などの現物を受け取る、という方法のことです。


(2)代償分割
代償分割とは、例えば、一方が不動産の価額の半額を現金で支払う代わりに不動産の所有権を移転してもらう、等、現実的な分割をしないで対価を支払うという方法のことです。


(3)換価分割
換価分割とは、例えば自動車を売却するなどして換金し、諸経費を差し引いた残額を分け合う、という方法のことです。



扶養的財産分与


扶養的財産分与とは、「離婚後扶養」などともいいますが、離婚することによっていずれか片方が経済的に窮する場合などに扶養の意味で財産を分与することをいいます。
専業主婦が幼児を抱えているために職に就けない、などの事情がある場合には、夫にはこれを扶養すべき義務があります。
ただし、経済的自立の目処がたつまでの保障であり、経済的に窮する状態にない場合には、この扶養的財産分与は行う必要がありません。


扶養的財産分与の場合には、慰謝料とは異なり、支払総額が確定しないことも許されます。
※例:再婚するまで月10万円づつ支払う
   就職が決まるまで月10万円づつ支払う
など。


慰謝料的財産分与


慰謝料的財産分与とは、慰謝料と財産分与の額や割合を定めず、一括して分与することをいいます。
慰謝料の算出が困難な場合などはこの慰謝料的財産分与によって一括して分配・清算を行います。
名目上の如何を問わず、判例上、当事者間の財産分与の額から推測して、慰謝料が含まれていない判断出来る場合には、別途に慰謝料の請求を行うことも認められます。


婚姻費用清算の財産分与


婚姻費用清算の財産分与とは、離婚前に別居していて生活費(婚姻費用といいます)を渡してもらえなかったなどという事情が場合に、この「婚姻費用」も含めて財産分与を行うことになります。




もっと詳しくお知りになりたい方は、以下の専門サイトをご覧下さい。

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