契約書の効力

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1:契約書の目的 2:契約書の効力・メリット 3:契約書の作り方 4:特殊な契約書
5:契約書の製本 6:契約の無効・取消・解除 7:契約書Q&A 8:契約書のひな形

契約書の効力

契約書には、様々な効力があります。
契約の成立や契約意思の確認・明確化に寄与し、契約の履行に関する手引きとなり、紛争の事前防止に貢献し、契約した証拠として、契約当事者を保護ないし救済してくれます。


契約書の効力は、主要なものとして、以下の5つに分類することが出来ます。


①契約成立の確認・契約意思の確認という効力

契約書の作成は、契約が成立したことを確認する効力、および契約をする意思があることを確認する効力があります。
確かに「申込」と「承諾」が合致していることを確認出来るわけです。
そのため、当事者は安心して行動することが出来、取引の安全に貢献する訳です。


そして、このことは、さらに大きな意味を持つ場合があります。
例えば、不動産の名義変更をする場合、売買契約書や贈与契約書、遺産分割協議書や離婚協議書、などの書類(契約書)がないと、法務局では契約の成立を確認することが出来ませんので、登記の変更をしてもらえません。


また、車の名義変更でも同様で、譲渡証明書という契約書が必要になります。
つまり、不動産や車などの重要な財産の所有権移転の場合には、契約の成立の確認・契約意思の確認は、書面がないと実質的に不都合を生じてしまうことになるわけです。


②履行内容に関する手引き書としての効力

例えば、建物賃貸借であれば、毎月の賃料の支払期日と支払方法(振込先など)、契約満了日(更新時期)、など、履行する際の詳細が記載してありますので、契約書の記載内容を確認することで、確実な履行を行うことが可能となります。


また、履行を受ける側もこれによって確かな履行を受けやすくなるというするくなるという利点があります。
これも、契約書を作成することによって得られる効力です。


③紛争を事前に防止する効力

契約書を作成することにより、契約トラブルを未然に予防することが出来ます。
予防される契約トラブルは、大きく分けると、以下の2種類があります。


契約の存否に関するトラブルの予防
契約書を作成し、署名捺印(記名押印)をすることにより、契約意思が明らかになり、契約が成立したことを確認出来ますので、安心して履行に着手したり、確実な履行を促すことが出来る訳です。
契約内容に関するトラブルの予防
契約の成立はいつか、契約当事者は誰か、契約の目的物は何か、契約の履行時期や履行方法はどうなっているのか、、不履行時はどのように取り扱うのか(契約解除や違約金など)、など、多岐に渡る項目をすべて口頭のみで行うことは、トラブルの発生リスクを増大させますから、非常に危険です。


契約書を作成し、契約に付随する事項をあらかじめ定めることにより、一定の事態が発生した場合のトラブルの発生を未然に予防することが可能となります。

これらのトラブル予防という効力も、契約書を作成することにより得られる主要な効力の一つです。


④証拠能力

万が一、契約の存否や、債務不履行の発生、履行の有無などについて争いが生じ、裁判となってしまった場合、契約書の存在は最大の武器となります。

「百聞は一見にしかず」

裁判は証拠が勝敗を決めるという部分が往々にしてあります。
裁判官にとっては、どんなに証人から説明されるより、契約書の存在と記載されている内容の方が信頼しやすく、採用しやすいのです。
この証拠としての効力が、契約書を作成する上で最も強力な効力です。
契約書を作り、必要事項をあらかじめ定めておくことで、両当事者間に裁判を回避しようとする意思が働き、確実な履行を促す事にもつながるのです。


⑤特殊な効力

特殊な契約の効力として、必ず契約書を作成しなければ契約が成立しない場合、作成しておかないと契約が消滅してしまう場合、契約書の作成だけでは契約の効力が発生しない場合、などがあります。


贈与契約に関する特則
贈与契約は、契約書を作成していない場合には、いつでも撤回することが許されています。
(民法第550条)
書面によらない贈与は各当事者が撤回することができる。
ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。
保証契約に関する特則
保証契約は、契約書を作成しなければ成立となりません。
(民法第446条2項)
保証契約は、書面でしなければ、その効力を生じない。
消費貸借契約に関する特則
金銭消費貸借契約(いわゆるお金の貸し借り)の場合、契約書の作成だけでは契約の成立とはなりません。
 実際にお金を貸し渡すことで契約の成立となります。
(民法第587条)
消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
夫婦財産契約に関する特則
夫婦間で、婚姻前に、一定の定めをしておくことが出来ます。
  1. 婚姻後に取得した財産に関する定め(取得・管理・処分など)
  2. 婚姻費用の分担に関する定め
  3. 婚姻関係終了後の清算に関する定め

ただし、この「夫婦財産契約」の場合、契約書を作成し、法務局に登記をしておかなければ、契約が有効とはなりません。

農地の賃貸借契約
農地の賃貸借契約は、契約書を作成し、その写しを農業委員会に提出しなければなりません。
(農地法第25条)
建築工事請負契約
建築工事請負契約においては、契約書を作成し、工事内容・請負代金・着工期などを記載しなければなりません。
(建設業法第25条)
割賦販売法が定める指定商品についての月賦販売契約
割賦販売法が定める指定商品について月賦販売契約を結ぶときは、売主から買主に対して、割賦販売価格や商品の引渡し時期などを記載した書面を交付しなければなりません。
(割賦販売法第4条)
特定商取引法が定める一定の契約
訪問販売・連鎖販売・特定継続的役務提供契約など、特定商取引法が定める一定の取引によって契約を締結する場合には、契約書の作成が義務づけられています。
借地借家法がに定める一定の契約
借地借家法が定める以下の契約については、契約書の作成が義務づけられています。
イ.存続期間を50年以上とする定期借地権設定契約
ロ.事業用定期借地権設定契約(公正証書)
ハ.更新のない定期建物賃貸借契約
ニ.取壊予定の建物の賃貸借契約




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