遺言書

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1:相続とは 2:相続手続き 3:相続財産 4:相続放棄と相続の承認
5:法定相続人 6:法定相続分 7:遺贈・死因贈与 8:特別受益と寄与分
9:相続欠格・相続廃除 10:遺留分減殺請求 11:遺産分割協議書 12:遺言書
13:遺言執行業務 14:遺産の調査・評価 15:成年後見・任意後見 16:事業承継


遺言書

遺言書|遺産相続に関する基礎知識12/16

■遺言書

遺言書とは、人が、自分の身分上および財産上のことについて、自分の死後に効力を発生させることを目的として書き残した文書のことであり、「遺言書」または「遺言状」と呼ばれています。
遺言書には、民法によって方式が厳格に定められています。


相続は、比較的トラブルとなりがちです。
喧嘩一つしたことのない兄弟が骨肉の争いになってしまうこともありますから、とても悲しいことです。
そのため、揶揄して、「争族」とも読み替えられたりします。
では、どうして「争族」は起こるのでしょうか?

私が思うには、大きな理由は以下の2つではないかと考えております。

1 故人の意思が見えない

一緒に住んでいた家族も、別々に暮らすようになり、生活基盤が形成されます。
当然、物理的にも精神的にも距離が生まれます。
よく兄弟でこんな言い合いになります。
 「○○は自宅の頭金を出してもらっただろう。それで充分だと父さんはいうよ」
 「○○は一緒に住んでいて毎月援助してもらってただろう。特別扱いされてたじゃないか」
みんな、結局のところ、故人の意思を推測し、その意思を尊重しようとする訳ですが、故人の意思が見えないため、解釈に食い違いが生まれ、争いが生まれる訳です。

2 当事者以外の利害関係が発生する

どんなに仲のいい兄弟でも、それぞれの仕事や家族が形成され、財産など、守るべきものが築かれます。
そうなると、その兄弟当事者だけの話では済まなくなります。
当事者の配偶者や子供らにも無関係な問題ではありません。
自分の家族のため、当事者も、その家族も、しっかり権利主張すべきはしていかざるを得なくなる訳です。

 「どうしてあなたばかり、いつもお兄さんに遠慮する必要があるの?」
 「おじいちゃんの看病、うちのママだけがやってたんだよ」
 「そうだな。おまえ達のためにも、言うべき事はしっかり言うよ」
などなど。
結局、当事者だけの話では無くなる訳です。


「まだ早い」「縁起でもない」
そう思っていらっしゃるかも知れません。
たいていの人は、そう思ってます。
でも、人間の死はいつやってくるか、こればかりは誰にも分かりません。




■遺言書のメリット

遺言書を作成することのメリットは何でしょうか?
遺言書を作成しておくことには、以下のようなメリットがあります。


法定相続分に優先して明確に処分の内容や割合を決めておける
 特定の相続人に多く分配したり、法定相続人以外の者に財産を与えたり出来ます。
 また、財産を指定して誰に相続させるかの指定をすることも可能になります。

自分の意思を明確に相続人らに伝えることが出来る

 どのような処理をしたいか、進めるべきかの指標としてとても効果を発揮します。
 残された家族や親族に残せる、唯一最期のメッセージとなります。
 廃除やその取消、認知、など、どうしても言えなかったことも、安心して伝えられます。

手続きの煩雑さが軽減出来る
 銀行預金口座の凍結解除や不動産の登記申請などの手続き負担が削減出来ます。
 遺言執行者の指定や遺言執行の方法なども定めておけます。

紛争予防に最も有効な手段となる
 故人の意思を明確に伝えられるので、遺産分割協議の争いなど、不要なトラブルを回避出来ます。


■遺言書の種類

遺言書には、いくつかの種類があります。


普通方式の遺言書

自筆証書遺言

自筆証書遺言とは、遺言される方ご自身が、全文を手書きし、署名・捺印する遺言の方式のことです。
費用もかからず、証人も不要なため、簡易迅速に作成することが可能です。
また、作成した事実や記載内容も一切秘密にしておくことが出来ます。
ただし、方式が厳格に定められており、不備があると無効となってしまうという、デメリットがあります。
また、遺言書そのものの紛失、隠蔽・破棄、などの危険もありますし、本人が自分の意思で自署したのか?という部分で、相続人間でトラブルとなることも多々ありますので、注意が必要です。
自筆証書遺言においては、本人が他界した後、開封せずに家庭裁判所へ持って行き、検認という手続きを経なければなりません。

公正証書遺言

公正証書遺言とは、公証役場で公証人に作ってもらう遺言の方式のことです。
費用はかかりますが、もっとも確実に作成することが可能です。
また、原本が公証役場で保管されるため、安全性に優れます。
ただし、証人2名が必要となり、遺言される方ご自身が口述した内容を公証人が筆記しますので、費用と手間がかかるというデメリットがあります。
なお、公正証書遺言においては、家庭裁判所での検認の手続きはいりません。
また、遺言される方が病気等で出向けない場合には、公証人に出張してもらうこともできます。

秘密証書遺言

秘密証書遺言とは、遺言書の「内容」を秘密にしたまま、遺言書の「存在」のみを公証人に証明してもらう遺言の方式のことです

自分で署名捺印した遺言書を封書に入れ、遺言書に押印した印鑑で封印し、証人2名と一緒に公証役場へ行き、公証人の面前で証人と共に署名捺印し、公証人に証明してもらいます。
自筆証書遺言と違い、偽造・変造などの心配がありませんから、本物であるかどうかという疑いが起きる余地がありません。
また、公正証書遺言と違って、証人や公証人にも、内容が一切知られないで済みます。
ただし、文面の内容に不備があった場合、無効となる危険性がありますし、保管が自分でしないといけませんので、紛失や未発見の心配、というデメリットがあります。

遺言検索システム

遺言公正証書と秘密証書遺言については、日本公証人連合会により、コンピュータを使用した検索システムが整備されています。
そのため、日本全国のどの公証役場においても、平成元年1月以降の分については、簡単に照会することが可能です。
よって、遺言者は相続人等に対して、遺言書を作成しておいたという事実だけを伝えれば、死亡した後でも、遺言内容を確実に実現することが可能であり、紛失や発見されないという心配もありません。

特別方式の遺言書

一般危急時遺言

疾病や負傷で死亡の危急が迫った人のための遺言の方式です。
証人3人以上の立会いが必要で、証人のうちの1人に遺言者が遺言内容を口授し、口授された証人が筆記し、遺言者および他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人は、筆記が正確なことを承認した後に、署名・押印します。
20日以内に家庭裁判所で確認手続を経ない場合、遺言が無効となる。

難船危急時遺言

船舶や飛行機に乗っていて死亡の危急が迫った人のための遺言の方式です。
証人2人以上の立会いが必要で、証人のうちの1人に遺言者が遺言内容を口授し、口授された証人が筆記し、遺言者および他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、証人は、筆記が正確なことを承認した後に、署名・押印します。
遅滞なく家庭裁判所で確認手続を経る必要があります。

一般隔絶地遺言

伝染病による行政処分によって交通を断たれた場所にいる人のための遺言の方式です。
刑務所の服役囚や災害現場の被災者もこの方式で遺言をすることが可能です。
警察官1人と証人1人の立会いが必要で、遺言者が遺言書を作成し、遺言者、筆者、立会人及び証人が署名捺印します。
家庭裁判所の確認は不要です。

船舶隔絶地遺言

船舶に乗っていて陸地から離れた人のための遺言の方式です。
飛行機の乗客はこの方式を選択することはできません。
船長又は事務員1人と、証人2人以上の立会いが必要で、遺言者が遺言書を作成し、遺言者、筆者、立会人及び証人が署名捺印します。
家庭裁判所の確認は不要です。




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