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1:相続とは 2:相続手続きとは 3:相続財産 4:相続手続き 5:法定相続人 6:法定相続分
7:遺贈と死因贈与 8:特別受益と寄与分 9:欠格と廃除 10:遺留分減殺請求 11:遺産分割協議書
相続は、早めの手続きと対応が重要です。
手続きは思ったよりも多岐にわたります。
しかし、後回しにしてしまうと、親子や兄弟間であらぬ誤解が生じる原因となります。
いくら仲の良かった兄弟姉妹間であっても、それぞれ結婚して家庭を持ったりしていれば、 相続に関する利害関係者も増え、兄弟だけの問題ではなくなります。 簡単に話が進まないことも珍しくありません。
「相続」が「争族」となり、骨肉の争いとなってしまうと、関係の修復が不可能にさえなりか ねません。
場合によっては裁判に発展し、弁護士に依頼をしなくてはならなくなるかも知れません。 そうなれば、時間も費用も負担は決して小さいものでは済みません。
財産の有無や大小にかかわらず、是非一度専門家への相談はなさって下さい。
飯田橋総合行政書士事務所では、
戸籍謄本等の取得(相続人の調査・確定)、相続関係説明図作成、 財産目録作成、相続人らとの協議、遺産分割協議書作成、
等など、相続に必要な手続きの代行を承っております。 また、遺言執行者として専門家である弁護士や行政書士を選任したいという場合も、お気軽 にご相談下さい。
※なお、相続が開始する前に遺産分割に関する紛争を未然に防止するため、遺言書を作成
しておくことをお薦めします。 また、相続時精算課税制度の利用により、2500万円の非課税枠の利用も、とても有用です。
(※詳しくは国税庁ホームページの こちら を参照して下さい)
1 相続とは 
個人が他界された場合、その故人が有していた遺産(財産や借金のことです)はどうなるのでしょうか? 相続とは、この故人の遺産(財産や借金)について一定の血縁関係にある者が引き継ぐことをいいます。 相続は、故人の死亡によって、何らの要件や届出もせず、自動的に開始します(民法第882条)。 ※遺産分割協議がなされていなくても、不動産の登記の名義変更がなされていなくても、故人の死亡
によって、「相続」は発生します。 ※この場合の「死亡」には失踪宣告によってみなされる死亡や戸籍法による認定死亡も含まれます。 ※相続人が1人でも不明な場合は、将来的な紛争を未然に回避するため、家庭裁判所へ「失踪宣告」の
申立をしておくことをおすすめします。
なお、相続される故人のことを「被相続人」、相続する者のことを「相続人」といいます。 ただし、相続する者のうち、民法上、相続人でない者のことは「受遺者」といいます。
また、相続人が複数いる場合を「共同相続」といい、相続財産は、遺産分割が完了するまでは共同相続 人全員の共有財産として取り扱われます。
相続には「遺言相続」と「法定相続」の2種類があり、原則として遺言がある場合には、遺言が尊重され、 優先して適用されます。
「遺言相続」では、相続する者や相続する内容を原則として自由に定めることが出来ます。 また、「遺言」は原則として15歳以上であれば、誰でも単独で有効に行う事が出来ます。 ※遺言を行うことが出来る能力(資格)のことを「遺言能力」といいます。
未成年であっても満15歳以上であれば、単独で有効におこなうことが可能です。(民法第961条)
成年被後見人(いわゆる昔の「禁治産者」)であっても、医師2名以上が立ち会いの下で、正常な事理 弁識能力を回復している状態にあるときには単独で有効に行うことが可能です。(民法第973条)
しかし、「遺言」によっても侵害することの出来ない範囲が法律上定められています。 この侵害することが出来ない範囲のことを「遺留分」(いりゅうぶん)といいます。
遺言が存在しない場合または法律上無効である場合、相続をする者や相続する範囲が民法によって 定められています。これを「法定相続」といいます。 この際、民法に定められている相続人を「法定相続人」、相続の範囲を「法定相続分」といいます。
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2 相続手続きとは 
相続手続きとは、相続に関する手続き全般を指し、おおよそ以下のとおりとなっております。
( 1)死亡届の提出
1週間以内に市区町村の役所(役場)へ死亡診断書と一緒に死亡届を提出しします。
併せて、火葬(埋葬)許可の申請を行い、火葬(埋葬)許可証を取得しておきます。
( 2)遺言書の有無を確認
遺言書が発見された場合は、開封せず、速やかに家庭裁判所へ検認の申立を行わなければ なりません。
検認の申立を行わないで開封すると5万円以下の過料という制裁を受ける場合があります。
※公正証書遺言の場合は最寄りの公証人役場で存在の有無を調査出来ます。 (日本公証人会連合会の遺言検索システム)
( 3)世帯主変更届の提出
2週間以内に市区町村の役所(役場)へ世帯主変更届を提出します。 故人が年金受給者の場合は年金停止の手続きが必要です。
a 厚生年金→死亡してから14日以内に社会保険事務所へ届出をします。
b 国民年金→死亡してから10日以内に市区町村の役所(役場)へ届出をします。
その他、印鑑登録証の返却、住民基本台帳カードの返却、保険証の回収又は訂正、
老人保健医療受給者証の返却、医療福祉費受給者証の返却、などなど手続きはたくさん あります。市区町村の役所(役場)へご確認下さい。
※社会保険の保険証と厚生年金手帳は勤務先への返却となります。
その他、電気・水道・ガス・電話などの名義変更の手続きも行っておくといいです。
( 4)相続人を調査・確定する
故人(被相続人)の出生してから死亡するまでのすべての戸籍簿・除籍簿・原戸籍簿等を 取得し、法定相続人を調査・確定します。
確定したら相続関係説明図を作成しておきます。
( 5)相続財産を調査・確定する
通帳や有価証券、不動産や車、および借用証書など、プラスの財産も負の財産もすべて
調査をし、現金や預貯金以外は、評価額を査定しておきます。 遺言書がある場合は、遺言記載の財産の内容と一致しているか確認をします。
不動産登記簿謄本、固定資産課税台帳(名寄帳)、銀行預金通帳、保険証券、など。
( 6)家庭裁判所への申述
3ヶ月以内に家庭裁判所へ相続放棄・単純承認・限定承認の申述書を提出します。
※何も提出しないと自動的に「単純承認」をしたとみなされます。
( 7)準確定申告を行う 4ヶ月以内に被相続人の所得税の申告を行います。
この所得税の申告を準確定申告といい、相続人全員の連署によって行います。
( 8)遺産分割協議を行う
相続人全員の出席のもとで遺産分割協議を行い、協議が成立した場合には「遺産分割協 議書」を作成します。
なお、相続人中に未成年がいる場合には、特別代理人の選任の申立を行う必要があります。
( 9)遺産分割の執行を行う
不動産や自動車の名義変更、預貯金の名義変更や解約の手続きを行います。
相続による不動産の所有権移転登記の申請には被相続人の戸籍謄本や遺産分割協議書 が必要となります。
預貯金の口座の名義変更には、被相続人の戸籍謄本や、金融機関の書類への相続人全員 の署名と押印、などが必要となります。
(10)相続税の申告と納税を行う
10ヶ月以内に相続税の納税を行います。
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3 相続財産 
故人が残した遺産については、すべてが相続される訳ではありません。 相続の対象となる財産を相続財産といい、相続の対象とならない財産を非相続財産といいます。
| 相続財産となるもの・相続財産とならないもの |
| ◎相続財産となるもの |
◎相続財産とならないもの (非相続財産) |
(a)積極財産 (プラスの財産) |
(b)消極財産 (マイナスの財産) |
・現金、預金、有価証券 (株式や社債など) ・不動産(土地・家屋) ・土地の上に存在する権利
(借地権・地上権など) ・自動車、家具 ・貸金債権、売掛金債権 ・生命保険金 ※ただし受取人が故人の場合 ・退職金 ・慰謝料請求権 (損害賠償請求権) ・貴金属・美術品・骨董品 ・電話加入権 ・知的財産 ※特許権、著作権、商標権など ・被相続人の裁判上の地位 |
・借入金債務 ・買掛金債務 ・保証債務 ・連帯債務 ・損害賠償債務 ・税金 |
被相続人の一身専属にかかる 権利義務は相続財産とはなりません。
・扶養請求権 ・選挙権、被選挙権 ・遺留分減殺請求権 ・使用貸借権 ・生活保護受給請求権 ・人格権(名誉権や肖像権、自由権など) ・仏壇、墓石、祭具、系譜、香典 ・死亡退職金(※)、ほか。
|
※死亡退職金 死亡退職金として、会社が被相続人の遺族の生活を保証する主旨で支給するものについては、 被相続人の財産ではなく、被相続人の収入で生計を維持していた被相続人の遺族に対して支給 される、遺族の固有の財産であると解されています。 しかし、受給対象の遺族と受給対象外の遺族との間の公平を図る為に、特別受益とみなされる 場合があります。
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4 相続手続き 
相続の手続きには大きく分けて「単純承認」「相続放棄」「限定承認」の3種類の方法があります。 注意しなくてはいけないことは、「プラスの財産は引き継ぐが、借金は引き継がない」という方法は 認められないということです。 すべてを包括的に引き継ぐ場合を「単純承認」、すべての相続を引き継がない場合を「相続放棄」と いいます。 この他、相続人全員の同意がある場合に限り、共同して、現存する借金の総額の範囲で財産を引き 継ぐという方法(「限定承認」といいます)が利用出来ます。 このうち、相続放棄と限定承認については相続が開始されたことを知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所 に届出をしなくてはなりません。 何らの手続きも取らなかった場合は、「単純承認」をしたこととみなされます。 よって「単純承認」をする場合には家庭裁判所へ届出をしなくても問題はありません。
( 1)単純承認
単純承認とは、プラスの財産もマイナスの財産(借金など)も包括的にすべて引き継ぐことです。
この手続きは、相続人が各自単独で行うことが可能です。
熟慮期間が3ヶ月設けられており、相続の開始を知った時より3ヶ月以内に単純承認の申述書 を家庭裁判所へ提出します。※申述書の提出後に撤回・取消は出来ません。
何も手続きをしないで3ヶ月が経過すると自動的に単純承認をしたとみなされます。
また、一定の場合には単純承認したとみなされます(民法第921条) ・相続人が相続財産の全部または一部を処分したとき ・相続人が相続財産の全部または一部を隠匿したり、それを私的に使ったとき ・悪意で財産目録に財産を記載しなかったとき ・その他、相続債権の請求・取立、相続財産の損壊、などをおこなったとき
( 2)相続放棄 相続放棄とは、財産も借金もすべて引き継がないことです。
この手続きは、相続人が各自単独で行うことが可能です。
熟慮期間が3ヶ月設けられており、相続の開始を知った時より3ヶ月以内に相続放棄の申述書 を家庭裁判所へ提出しなければなりません。※申述書の提出後に撤回・取消は出来ません。
相続放棄を行った者は初めから相続人でなかったものとみなされます。
※相続開始前に相続放棄をすることは出来ません。万が一そのような相続人間でそのような
合意書面を作成していたとしても無効となります。
相続放棄をすると、相続放棄をした者は初めから相続人でなかった者として取り扱われます。
例えば妻と子供2人が相続人で、妻が2分の1、子供2人がそれぞれ4分の1づつという相続
分を持っていた場合、子供1人が相続放棄をすると、残りのもう1人の子供の相続分が2分の1
となります。相続放棄した者に子や孫がいても代襲相続は発生しません。
( 3)限定承認
限定承認とは、財産を引き継ぐが、借金は財産の評価額の限度でのみ負担するということです。
この手続きは、相続人全員でのみ行うことが可能です。
よって相続人中ひとりでも限定承認に同意しない者がいる場合には利用出来ません。
熟慮期間が3ヶ月設けられており、相続の開始を知った時より3ヶ月以内に限定承認の申述書 を家庭裁判所へ提出しなければなりません。※申述書の提出後に撤回・取消は出来ません。
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5 法定相続人 
法定相続人とは、民法の規定によって定められている、相続を受ける者のことです。
遺言がある場合は、遺言に従って遺産が分配されますが、遺言がない場合または法律上 無効な場合には、相続する者が民法の規定によって定められています。
民法により定められている相続人は以下のとおりです。
1 配偶者がいる場合、配偶者は常に相続人となります。 相続人となる配偶者は、婚姻届を出している法律上(法律婚)の配偶者のみです。 内縁関係(事実婚)にある内妻・内夫(事実婚)は相続人とはなりません。
2 配偶者以外の相続人には、順位が定められています。 配偶者以外の相続人は、順位に従い、先順位の者が1人でもいる場合には、後順位の 者は相続人にはなりません。 また、相続放棄をした者は、初めから相続人でなかったものとして取り扱われます。
第1順位:子供など(直系卑属) ※養子も相続人となります。
つまり、養子は、自分の実親からも養親からも相続を受けます。
(ただし、特別養子は養親からのみです。) ※非嫡出子(法律上の婚姻外で出生した子)も相続人となります。
ただし、認知されている場合のみです。 ※胎児も相続人となります。
(無事に産まれた場合のみ初めから相続人であったとみなされます。) ※子が被相続人より前または同時に他界している場合は孫が相続人となります。
(代襲相続といいます)
第2順位:両親など(直系尊属) ※被相続人に直系卑属がいない場合は、両親などが相続人となります。 ※実親のみならず、養親も相続人となります。 ※実親・養親がひとりもいないときは祖父母が相続人となります。 ※実親・養親がひとりでもいる場合には、祖父母は相続人とはなりません。
第3順位:兄弟姉妹 ※被相続人に直系卑属も直系尊属もいない場合は、兄弟姉妹が相続人となりま
す。 ※兄弟姉妹が被相続人より前または同時に他界している場合は、兄弟姉妹の子、
つまり甥や姪が相続人となります。(代襲相続といいます)
以上をまとめると、法定相続人は下記の表のとおりとなります。
|
|
法定相続人 |
配偶者がいる場合
|
配偶者がいない場合 |
| 1 |
直系卑属(子など)がいる場合 |
配偶者と直系卑属(子など) |
直系卑属(子など) |
| 2 |
直系卑属(子など)がいない場合 で直系尊属(親など)がいる場合 |
配偶者と直系尊属(親など) |
直系尊属(親など) |
| 3 |
直系卑属も直系尊属もいない場合 で兄弟姉妹がいる場合 |
配偶者と兄弟姉妹 |
兄弟姉妹 |
3 代襲相続人
代襲相続人とは、「代襲相続」をする者のことです。
代襲相続とは、法定相続人が一定の理由で相続出来ない場合に、相続人の子や孫、または兄弟 姉妹が代わりに相続をするという制度です。
(1) 代襲相続事由
代襲相続となる「一定の理由」には以下のものがあります。
@相続が開始する前または同時に、相続人となるはずの者(推定相続人)が他界して相続する ことが出来ない場合
A相続人が欠格事由や排除によって相続することが出来ない場合
※相続放棄をした場合には代襲相続はありません。
(2) 代襲相続人
代襲相続をする(代襲相続人となる)者は以下のとおりです。
@推定相続人の直系卑属(子や孫)であって被相続人の直系卑属(子や孫)でもある者 ※推定相続人が養子の場合、養子縁組する前に生まれた相続人の直系卑属(子や孫)は
代襲相続人とはなりません。 A相続人の兄弟姉妹
※配偶者や直系尊属(親)は代襲相続人にはなりません。
4 再代襲相続人
再代襲相続人とは、「代襲相続」をする者のことです。
再代襲相続とは、代襲者(代襲相続人)が一定の理由で代襲相続出来ない場合に、代襲相続人 の子や孫、または兄弟姉妹が代わりに代襲相続をするという制度です。
(1) 再代襲相続事由
再代襲相続となる「一定の理由」には以下のものがあります。
@相続が開始する前に代襲相続人となるはずの者が他界していて代襲相続出来ない場合
A代襲相続人が欠格事由や排除によって代襲相続出来ない場合
※代襲相続人が相続放棄をした場合には再代襲相続はありません。
(2) 再代襲相続人
再代襲相続をする(再代襲相続人となる)者は以下のとおりです。
@代襲相続人の直系卑属(子や孫)であって被相続人の直系卑属(子や孫)でもある者
※代襲相続人が養子の場合、養子縁組する前に生まれた代襲相続人の直系卑属(子や孫) は再代襲相続人とはなりません。
※代襲相続人が直系卑属(子や孫)の場合には、再代襲相続となりますが、代襲相続人が
兄弟姉妹の子(被相続人の甥や姪)である場合には、その甥や姪の子には再代襲相続は ありません。
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6 法定相続分
法定相続分とは、民法の規定によって定められている、相続を受ける割合のことです。
昔は、家督制度により、長兄が全財産を譲り受けることになっていました。 また、生前相続(隠居)制度により、故人の死亡前に相続が行われることもありました。
しかし、現在では、相続人は配偶者および子や親・兄弟姉妹となりました。 また、相続人たる子供の間では相続分は原則として平等です。
※ただし、非嫡出子の相続分は嫡出子の2分の1となっています。
遺言がある場合は、遺言に従って遺産が分配されますが、遺言がない場合または法律上 無効な場合には、相続する割合は法定相続人の間の協議で定めます。 また、協議がつかない場合は、家庭裁判所の調停または審判によって定めることになりま す。 この場合の、協議の内容の目安(基準)または調停・審判の目安(基準)が、民法の規定に よって定められています。これが法定相続分なのです。
民法により定められている相続分(相続する割合)は以下のとおりです。
1 配偶者がいる場合、各相続人の相続分は以下のとおりです。
(1)直系卑属(子など)がいる場合
配 偶 者 → 2分の1 直系卑属(子など) → 2分の1
※ただし、非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分の2分の1です。
(2)直系卑属(子など)がいない場合で直系尊属(親など)がいる場合
配 偶 者 → 3分の2
直系尊属(親など) → 3分の1
(3)直系卑属も直系尊属もいない場合で兄弟姉妹がいる場合
配 偶 者 → 4分の3 兄弟姉妹 → 4分の1
※ただし、一方の親を異にする兄弟姉妹(異母兄弟姉妹または異父兄弟姉妹)の 相続分は、父母両方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1となります。
2 配偶者がいない場合、各相続人の相続分は以下のとおりです。
(1)直系卑属(子など)がいる場合
直系卑属が全財産を均等に分け合います。
※ただし、非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分の2分の1です。
(2)直系卑属(子など)がいない場合で直系尊属(親など)がいる場合
直系尊属が全財産を均等に分け合います。
(3)直系卑属も直系尊属もいない場合で兄弟姉妹がいる場合
兄弟姉妹が全財産を均等に分け合います。
※ただし、一方の親を異にする兄弟姉妹(異母兄弟姉妹または異父兄弟姉妹)の 相続分は、父母両方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1となります。
以上をまとめると、法定相続分は下記の表のとおりとなります。
|
|
法定相続分 |
配偶者がいる場合
|
配偶者がいない場合 |
| 1 |
直系卑属(子など)がいる場合 |
配偶者 2分の1(50%) |
直系卑属(子など) 2分の1(50%) |
直系卑属(子など) 全部(100%) |
| 2 |
直系卑属(子など)がいない場合 で直系尊属(親など)がいる場合 |
配偶者 3分の2 |
直系尊属(親など) 3分の1 |
直系尊属(親など) 全部(100%) |
| 3 |
直系卑属も直系尊属もいない場合 で兄弟姉妹がいる場合 |
配偶者 4分の3 |
兄弟姉妹 4分の1 |
兄弟姉妹 全部(100%) |
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7 遺贈と死因贈与 
相続と類似の制度として「遺贈」と「死因贈与」(または「死因贈与契約」といいます)という 制度があります。
相 続 →相続人が何もしなくても法律上当然に財産を引き継ぐことです。
遺 贈 →故人の遺言によって、相続人や相続人以外の者に財産を贈与することです。
贈与する故人を遺贈者、贈与させる者を受遺者といいます。
遺言の一種ですから、形式は民法の方式に厳格にしたがっている必要があります。 ただし、贈与される者の同意は不要です。※一方的な意思表示
遺贈には相続と同様に放棄や承認の手続きが認められています。
遺贈は、その内容によって「包括遺贈」と「特定遺贈」という2種類に分類され、さら
にそれぞれに共通して「負担付遺贈」というものがあります。
遺贈は遺言の効力発生時(遺贈者が死亡したとき)に受遺者が死亡している場合
には無効となり、代襲相続は発生しません。
(1)包括遺贈
包括遺贈とは、遺産の全部または一部について、一定の割合を包括的に示し てする遺贈のことです。
包括遺贈の場合には、プラスの財産だけでなくマイナスの財産(借金など)も
指定された割合で包括的に承継する事になります。
一定の割合を承継する相続人と似たような地位となるため、包括受遺者(包括
遺贈を受ける者)の地位は「相続人と同一の権利義務を有する」と定められて います。
その為、承認や放棄の手続きをする場合には相続開始を知った時から3ヶ月
以内にする必要があります。
(2)特定遺贈
特定遺贈とは、遺産の全部または一部について、特定の財産を具体的に示し てする遺贈のことです。
特定遺贈の場合には、特定された財産のみを承継する事になります。
特定受遺者(特定遺贈を受ける者)の地位は相続とは異なります。
その為、放棄をする場合には相続開始を知った時からいつでも行うことが出来
ます。
(3)負担付遺贈
負担付遺贈とは、一定の負担(義務)を付加した遺贈のことです。
「包括遺贈」にも「特定遺贈」にも贈与と併せて一定の負担を付ける事が出来ま す。
負担付遺贈を受けたものは、遺贈の目的物を取得し、併せて付加された負担( 義務)を負います。
※例えば、 「私が死亡したら長男に家をあげる。 その代わり、私の妻を最後まで扶養し介護すること」 などという感じです。
死因贈与→故人(贈与者)が生前に受遺者との間で行った契約によって死亡を原因として
効力が発生する始期付贈与契約のことです。
契約の一種ですから、形式は原則として自由です。(契約自由の原則により)
ただし、贈与する者と贈与される者双方の合意があって成立(効力が発生)となりま す。
※但し、契約書がないとあとで立証する事は難しいです。 民法第550条が書面によらない贈与はいつでもこれを取り消す事が出来るとして おり、紛争にもなりやすいので要注意です。
税法上、生前贈与(普通の贈与)は贈与税の対象となりますが、死因贈与は贈与税
の対象とはならず、相続税が課税されるため、税金が優遇される(安く済む)というメ リットがあります。
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8 特別受益と寄与分
相続人のうちの特定の者だけが相続開始前に特別な贈与を受けていた場合や、 相続人のうちの特定の者だけが相続開始前に被相続人の財産の形成や維持に 貢献をしていたという場合、残された遺産のみを分配したのでは不公平になる場合 があります。 これらを調整するための制度が「特別受益」と「寄与分」です。
@特別受益とは
被相続人から生前贈与などの特別な利益を受けたものがいる場合、受けた者と受けて いない者の間で不公平が生じる事があります。 また、被相続人から遺贈を受けたものがいる場合にも、受けた者と受けていない者の間 で不公平が生じる場合があります。
このような場合、不公平とならないように、遺産の総額にこれらの生前贈与や遺贈も加え 、生前贈与や遺贈を受けた相続人はその分を相続したものとして計算し、遺産分割をする 必要があります。
この、分配を修正する必要のある特別な受益のことを特別受益といいます。
民法上、特別受益の対象となるのは以下の3つです。 @結婚や養子縁組に起因してなされた贈与 A生計の資本として与えられた贈与 B遺贈
そして、特別受益を受けた者のことを特別受益者といいます。
特別受益となるものは、金銭に限りません。 不動産や車、有価証券、さらには学費や生活費の援助、事業に関する援助などもすべて 含まれます。
そして、その価額は相続開始時の評価額によって計算をします。 ただし、相続開始時に滅失その他の理由により価値がなくなっていても贈与当時のまま現 存するものとして計算されます。
特別受益となるかならないかは、その被相続人の社会的地位や資産によって判断されるた め、はっきりとは断定出来ませんが、おおむねは以下のとおりであるとされています。
・相続人のうちの1人だけが不動産や車を贈与された場合
・相続人のうちの1人だけが住宅取得のための費用の援助を受けた場合
・特定の相続人だけが生命保険金の受取人となっている場合
・特定の相続人だけが借金を肩代わりして払ってもらっている場合
・相続人のうちの1人だけが大学の入学金や学費などの援助を受けていた場合
(※ただし、私学の高校の入学金や学費については特別受益にならないとされています)
・相続人のうちの1人だけが結婚に際して受けた支度金や持参金を受けていた場合
(※結納金や挙式の費用については特別受益にならないとされています)
遺産の総額にこれらの生前贈与や遺贈も加えたものを「みなし相続財産」といい、生前贈与 や遺贈を受けた相続人にういてその分を相続したものとして計算することを「特別受益の持 戻」といいます。
なお、被相続人は遺言書などで「持戻免除の意思表示」をする事が出来、この意思表示をす ることによって特定の相続人が受けた特別受益が相続分から控除されない(持戻されない)よ うにする事が出来ます。 ※ただし、持戻免除された分に遺留分が侵害された場合には減殺請求が可能です。
@寄与分とは
特別受益とは逆に、被相続人の財産の維持や増加などの特別な貢献(寄与)をしたも のがいる場合も、貢献をした者と貢献をしていない者の間で不公平が生じる事がありま す。
このような場合、不公平とならないように、遺産の総額にこれらの貢献(寄与)分を控除 し、維持や増加に貢献をした相続人にはその分を相続とは別にして計算し遺産分割を する必要があります。
この、分配を修正する必要のある財産の維持や増加などの特別な貢献をのことを寄与 分といいます。 ※寄与分の制度は昭和55年に導入された制度です。
民法上、特別受益の対象となるのは以下の3つです。 @被相続人の事業を手伝うなど労働力を提供するか、資金援助や出資等をした場合 A被相続人に対する療養や看護をした場合 Bその他被相続人の財産の維持、増加について特別の寄与をした場合
※認められた判例としては以下のような事例があります。 ・被相続人と家業に励み、被相続人の財産増加に貢献した長男 ・長年にわたって被相続人を看病し、被相続人の不動産も自己の収入で購入した妻
寄与分は、あくまで特別の貢献をしたと認められる場合に限られます。親族間には一般 に扶養の義務がありますので、通常の扶養の範囲内の事柄は寄与分とはなりません。 そのため、寄与分はその証明も価額の計算も難しく、原則として相続人全員の協議に よって算定する必要があるため、なかなか認めてもらうことが出来ません。 よって、その貢献に対する感謝の形を伝えたいのであれば、遺言書を作成しておくこと が有用です。 ※相続人全員の協議で話がまとまらない場合には、家庭裁判所に対する調停の申立
によって決することになります。
実務上、寄与分と特別受益は一緒にあわせて計算を行います。
| ※相続財産の計算式 |
相続開始時の財産(A) + 特別受益(B) − 寄与分(C) = みなし相続財産(D)
※借金等(債務)は分割して承継されるため、計算には算入をしません。
|
遺産分割協議においては、上記の「みなし相続財産(D)」を法定相続分によって分配 することになります。
この寄与分を主張出来るものは、相続人に限られます。 遺贈を受けた第三者や欠格者、廃除された者、相続放棄をした者、などは
該当しません。
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9 欠格と廃除 
相続権の喪失には、相続人自らの意思による「相続放棄」とは別に、法律上自動的に相続権が 喪失となる「欠格」(相続欠格)と、被相続人の申請によって喪失となる「廃除」(相続廃除)という 2つの制度があります。
@相続欠格
相続欠格とは、自己の相続の利益の為または不利益回避のために、殺害を企てたり、詐欺や
強迫によって遺言させたりという一定の行為をした者について、その相続権を喪失させようとす る制度です。
民法第891条により、以下の5つの行為を行った者が欠格者と定められています。 (1)故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ,
又は至らせようとしたために,刑に処せられた者 (2)被相続人の殺害されたことを知って,これを告発せず,又は告訴しなかった者。
ただし,その者に是非の弁別がないとき,又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族
であったときは,この限りでない。 (3)詐欺又は強迫によって,被相続人が相続に関する遺言をし,撤回し,取り消し,又は変更
することを妨げた者 (4)詐欺又は強迫によって,被相続人に相続に関する遺言をさせ,撤回させ,取り消させ,又
は変更させた者 (5)相続に関する被相続人の遺言書を偽造し,変造し,破棄し,又は隠匿した者
※以上の欠格事由に該当する者は、何等の申請をしなくても自動的に相続権を喪失し、受遺者 の資格(遺贈を受ける権利)も喪失となります。 ただし、遺言書の隠匿(5)については、最高裁の判例により、自己の利益のため、あるいは 不利益を逃れるために積極的に行われたものである場合に限って欠格事由となると判断が なされています。
相続欠格となるのは、欠格事由に該当した場合の関係においてのみであり、例えば父との関係
で相続欠格となった者が母との関係で母の相続人となることは問題がありません。
また、相続欠格となった者のみが相続権を剥奪されるのであって、相続欠格となった者に子や孫
などの直系卑属がいる場合には、その子や孫(直系卑属)が代襲相続人として相続をします。
A相続廃除
相続廃除とは、欠格事由のように当然に相続権が剥奪されるのではなく、一定の行為があった
場合に、相続される者(被相続人)の意思によって相続権を剥奪(喪失)させようとする制度です。
民法第892条により、以下の3つの行為を行った者が廃除請求の対象と定められています。 (1)被相続人に対して虐待をした者。 (2)被相続人に対して重大な侮辱を与えた者。 (3)その他著しい非行があった者。
※以上の廃除事由に該当する者については、相続される者(被相続人)の意思により、相続廃 除の請求をすることが出来ます。 廃除の請求を出来る相手は推定相続人のうち、遺留分を有する推定相続人だけです。 →なぜなら、遺留分を有しない推定相続人(兄弟姉妹)は遺言するだけで相続人から除外
することが出来るからです。
相続廃除の方法は2種類あります。 一つめは家庭裁判所に「推定相続人廃除申立」という調停の申立を行う方法です。 この場合、家庭裁判所によって相続人を廃除する旨の調停や審判がなされて確定すると、そ の相続人は廃除されます。 二つめは遺言書に廃除したい相続人と廃除したい理由を記載する方法です。(遺言廃除とい います。) この場合、被相続人はすでに他界していて調停や審判の申立を行うことが出来ませんから、 遺言執行者が代わって家庭裁判所に審判の申立を行います。
相続廃除となるのは、廃除事由に該当した場合の関係においてのみであり、例えば父との関係
で相続廃除となった者が母との関係で母の相続人となることは問題がありません。
また、相続廃除となった者のみが相続権を剥奪されるのであって、相続廃除となった者に子や孫
などの直系卑属がいる場合には、その子や孫(直系卑属)が代襲相続人として相続をします。
相続放棄の場合には代襲相続が発生しないことと混同しないようにして下さい。
相続廃除は、上記のとおり、非行があれば直ちに廃除出来るというものではありません。
また、家庭裁判所は職権で調査を行うことも出来ます。被相続人(相続される者)にも非があった
場合には認められないこともあります。
なお、被相続人(相続される者)は、いつでも特に理由がなくても家庭裁判所に廃除取消の申立
をすることが出来ます。 ※例えば廃除がなされた後に相続人が反省して態度を改めた場合などにこの意義があります。
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10 遺留分減殺請求
1 遺留分とは?
遺留分とは、直系卑属(子など)、直系尊属(親など)、および配偶者に認められた、遺言等に よって相続財産などを侵害された場合にも回復の請求をすることの出来る、法定相続分のうち の一定割合の部分のことをいいます。 法定相続人のうち、兄弟姉妹は遺留分を有しておりません。
本来、原則として、誰でも自分の財産は生前処分でも死因処分(「死んだらあげる」という死を 原因とする贈与契約など)でも、自由に行うことが出来るはずです。 よって、遺言によって全財産を全くの他人に贈与しても問題はないはずです。
※「私の信仰している宗教法人△△△△に全財産を寄付する」
「私の愛人○○○○に全財産を捧げる」 などなど
そのため、推定相続人の相続財産に対する期待は権利として保護する必要が無いのでは? とも思えます。
しかし、夫婦や親子が家計を共同にしていた場合などは、財産の名義を被相続人の単独名義と していた場合も多く、この場合には相続人の潜在的な共有持分を顕在化する要請が必要となり ます。 また、近親の親族間には本来相互に扶養義務があり、被相続人の収入に依拠してきた者に対す る扶養の確保のため、相続財産留保権の要請も必要とされます。
そのために、この「遺留分」という制度の存在意義があるのです。
※あくまで遺留分を侵害する遺贈や贈与は無効ではありません。
遺留分を侵害された者は侵害された遺留分の返還請求権(「遺留分減殺請求権」といいます)
を行使することが出来るということであって、この遺留分減殺請求権を行使するかしないかは
各人の自由となっています。
2 遺留分権利者・遺留分割合
遺留分を請求する権利を有する者(遺留分権利者)は、兄弟姉妹以外の法定相続人です。 つまり、 @直系卑属(子など)、 A直系尊属(親など)、 B配偶者、 の3者が遺留分権利者です。
※遺留分権利者は相続人にのみ認められる権利です。
その為、相続欠格にある者や相続廃除された者、相続放棄をした者には認められません。
また、遺留分の権利を行使出来る一定割合の部分(遺留分割合)は、 @相続人に配偶者や直系卑属(子など)が含まれている場合には被相続人の財産の2分の1、 A直系尊属(親など)のみが相続人である場合には被相続人の財産の3分の1、 とされています。
★(民法第1028条) 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に 定める割合に相当する額を受ける。 1.直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の3分の1 2.前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の2分の1
以上をまとめると、遺留分は下記の表のとおりとなります。
|
相続のケース |
遺留分
|
| 1 |
相続人が 直系尊属(親など)のみの場合 |
直系尊属
3分の1 |
| 2 |
相続人が 配偶者 のみの場合 |
配偶者
2分の1 |
| 3 |
相続人が直系卑属(子など)のみの場合 |
直系卑属(子など)
2分の1 |
| 4 |
相続人が 配偶者 と
直系尊属(親など)の場合 |
配偶者
6分の2 |
直系尊属(親など)
6分の1 |
| 5 |
相続人が 配偶者 と
直系卑属(子など)の場合 |
配偶者
4分の1 |
直系卑属(子など)
4分の1 |
3 遺留分対象財産
遺留分の対象となる財産は相続財産に限りません。
遺留分の対象となる財産は、 @被相続人が遺言によって行った特定の相続人への財産分け、 A被相続人が遺言によって行った相続人以外の第三者への贈与、 B被相続人が他界する前1年以内に行った贈与、 C被相続人が他界する1年以上前に行った贈与のうち、遺留分を侵害することを贈与の両当事者が
知っていて行った贈与(特別受益)、 となっています。
相続開始時の被相続人の財産の価額に前記贈与分の価額を加えたものから全債務の価額を差し 引いたもの、が遺留分の対象となる財産です。
4 遺留分減殺請求
遺留分を請求する権利を遺留分減殺請求権といいます。 遺留分減殺請求権は「形成権」といわれる権利で、遺留分を侵害している相続人や第三者に対して 侵害している遺留分を請求する意思表示さえ行えば効力が発生し、遺留分減殺請求をされた者に 遺留分を返還すべき義務が発生します。(昭和41年7月14日 最高裁判決) ※遺言執行者がいる場合には、遺言執行者にも減殺請求権を行使する旨を伝えておく必要があり
ます。
(1)減殺順序 減殺を行う場合、減殺を行う順序が決まっています。
遺贈を受けた者(受遺者)、死因贈与を受けた者、生前贈与を受けた者(受贈者)、がいる場合、
@まず、遺贈を受けた者(受遺者)、 A次に、死因贈与を受けた者、
Bそして生前贈与を受けた者(受贈者)、 という順序で減殺がなされます。
遺贈が複数ある場合には、減殺の順序は遺言の定めにしたがいます。
もしも減殺の順序について定めがない場合には、遺贈の目的の価額に応じて減殺がなされま す。
贈与に対する減殺は、新しい贈与(後にされた贈与)が先に減殺され、順次一つづつ前の贈与 に及んでいきます。
贈与に対する相殺については、遺言で順序が定められていても無効となります。
★(民法第1033条)
贈与は、遺贈を減殺した後でなければ、減殺することができない。
★(民法第1035条)
贈与の減殺は、後の贈与から順次前の贈与に対してする。
(2)受贈者の無資力
減殺請求を受けた受贈者が無資力の場合は、遺留分権利者が損失を負担します。
つまり、遺留分権利者は、財産の返還を受けることが出来ません。
★(民法第1037条)
減殺を受けるべき受贈者の無資力によって生じた損失は、遺留分権利者の負担に帰する。
(3)減殺請求権の消滅時効
減殺請求権を行使出来る期間は、 @相続の開始を知ったとき(つまり死亡したことを知ったとき)から1年、
Aまたは贈与や遺贈が行われていたことを知ったときから1年間、
Bただし、相続が開始してから10年間が経過したときは、知っていなくても行使が出来ない、
とされています。
★(民法第1028条)
減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があった
ことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する。
相続開始の時から10年を経過したときも、同様とする。
5 遺留分の放棄
遺留分は、侵害された場合に減殺することの出来る権利でありますから、行使をするもしないも 遺留分権利者の自由です。 よって、相続開始後は自由に放棄することが出来ます。 しかし、相続の開始前であっても、家庭裁判所の許可さえ得れば、放棄することも可能です。 ※相続放棄が、相続開始前には行うことが出来ないこととは混同しないようにして下さい。
遺留分を放棄しても、相続人であることには変わりありません。 侵害されなければ何らの影響も受けることはありません。
ただし、遺留分の放棄を認めると、一方では、相続人間の身分関係によって無理矢理放棄をさせ られたりするおそれも生じます。 その為、家庭裁判所が遺留分の放棄に対して一定の許可する基準を定め、許可するかどうかの 審査(判断)をしています。
遺留分放棄を許可する場合の基準とは以下のようなものです。
@ 放棄が本人の自由意思にもとづいているか A 放棄の理由に合理性と必要性があるか
B 代償性・対価性があるか(たとえば放棄と引き換えに先に現金をもらうなど)
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11 遺産分割協議書 
相続人の間で遺産分割の協議が整った場合には、遺産分割協議書を作成します。
この遺産分割協議書は法律上の作成義務がある書面ではありませんが、実際上、 不動産の名義変更(所有権移転登記)や預貯金の名義変更、相続税の申告などの際に 必要と書面となります。
遺産分割協議書の作成において注意すべき点は、以下のとおりです。
@必ず、相続人全員によって作成すること ※相続人が一度に集まることが難しい場合などは、郵送で書面を回す方法などをとります。
A胎児が相続人予定者になっている場合には、胎児の出産後におこなうこと
B相続人に未成年がいる場合には、未成年の法定代理人が協議に参加して作成すること ※ただし、未成年の法定代理人も相続人である場合には、家庭裁判所に特別代理人の
選任の申立をして、特別代理人が未成年に代わって協議に参加します。
C財産の表示は正確に行うこと
(1)不動産の場合は、不動産登記簿謄本の記載通りに地番や地目、面積や構造を記載。
(2)預貯金の場合には銀行名・支店名・預金種別・口座番号・口座名義を記載。
D相続人全員が必ず直筆で記載(署名)すること
E住所・氏名の署名は、すべて印鑑証明書の表示通りに記載すること
F署名への押印は実印で行い、印鑑証明書を遺産分割協議書に添付すること
以上です。
なお、財産が多数・多岐にわたる場合には財産目録一覧表を作成し、遺産分割協議書と 一緒に綴じ、全員がページの繋ぎ目に押印した方がいいです。
遺産分割協議書のサンプル(Word形式) は以下のとおりです。
isanbunkatsu_kyougisho.doc
以上で、相続手続きに関する基礎的な解説を終わります。
なお、ご不明な点や心配な問題などがございましたら、お気軽にご相談下さい。
※秘密厳守・相談無料
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